広大なアメリカで自社の商品を多くの方に知ってもらうには、WEB発信が効果的です。しかし、日本とアメリカの歴史的な違いから、アメリカで日本語のページを英語に変えたくらいのでは、かなり苦戦します。
『実際にお客様が商品を見なくとも、文字と絵だけで売る。』
100年以上前のアメリカで、この売り方が流行り、カタログ通販が繁栄しました。特に資材の乏しい内陸ではカタログ販売が主流だったため、内陸への拠点シカゴに大きな企業があるのも、そのような理由からです。
100年以上前からアメリカ人が得意とするビジネスで、今はカタログからWEBに変わっただけで、ビジネスのやり方は昔から何ら変わっていません。
この日本とアメリカの認識の違いを、我々はどのように対策すれば良いのか?
知ってもらいたいのは名詞ですが・・・
商品をアメリカ市場へ発信しても、その商品の認知度が低ければ、アメリカ市民から検索されることはありません。そのような状態では、アメリカで存在していないのと同じことです。
商品名だけでなく、企業名やブランド名にしても同じことです。
そのため、その商品が属する名詞を検索キーワードに盛り込むことを考えますが、アメリカは世界から商品が集まる市場ですので、この段階でもかなり厳しい状態になります。
例えば『靴』や『服』という段階の名詞では、非常に厳しくなり、広告費で対抗したとしても、日本とは比較にならない広告費がかかります。ブランディングするためには多くの費用が必要です。
ブランディングに高額の広告費をかけられない場合、日本製という単語を加えて対応しようとしますが、今の時代は世界から良い製品が集まりますので、どうしても日本製が欲しいというマニア以外は、なかなか検索キーワードに入らないでしょう。
形容詞の重要性
検索をする側の視点で考えますと、例えば『靴』を検索するときに形容詞を加える事で、求めている情報に近づくことができます。
『安い靴』を求めて検索しているなら、『cheap』という形容詞を検索キーワードに加える事でしょう。
形容詞は名詞を修飾します。つまり、名詞(商品名)の形や容子を表すのが形容詞ということです。この当たり前の事が、WEB対策では重要な事項になります。
検索側は、思い描いているイメージに近い商品を探すため、それを表す形容詞を入力します。また、商品を触れた事がない人でも、商品の特徴をイメージしてもらえる形容詞を加えることで、購入を促すという効果も発揮します。
形容詞の選択のセンスが、WEB対策において重要な要素になります。
日本と違い、アメリカにおけるホームページは文字が少ないことが特徴です。それは、アメリカ人が嫌うホームページは、商品を説明する長い文章がびっしりのホームページだからです。そのため、限られた文字数の中での単語の選択センスが、SEO対策において重要な要素になります。
より多くの人が検索している形容詞を見つけるだけではダメ
より多くの人が検索しているキーワードを選択することでもSEO対策のひとつになりますが、形容詞の選択に限ってはそれがいいとは言い切れません。
アメリカ人が単語から浮かぶイメージと、商品の伝えたい形や姿がリンクさせなければいけません。それには形容詞がものすごく重要な役割を果たします。
ただ単に検索数が多いだけの形容詞を選択するだけでは不十分です。
間違った形容詞を選択すると、商品イメージを落とすことにもなります。
例えば、ある名詞に対して、とても多いや豊富などを表現したいときに『abundant』や『excessive』という形容詞があります。
その形容詞をGoogle Trendsで検索の人気度を調べると、
このように、『excessive』の方が圧倒的に検索人気度が高いです。こちらの方を選択した方が単純な確率論では正しいかもしれません。しかし、形容詞は名詞(商品)を修飾する単語のため、単純な確率論で選択しては危険です。形容詞の持つイメージが大事なのです。
例えば、名詞の雨(Rain)を、この2つの形容詞に形や容子を修飾してもらうとどうなるでしょうか? USAのGoogleでこの2つを検索してみます。
『abundant rain』
『excessive rain』
大地に降り注ぐ豊かな恵みの雨のようなイメージと、豪雨のような人に危害を加える度が過ぎた雨のイメージでは、同じ『Rain』という名詞でも、伝わるイメージは大きく変わります。
似たような意味でも、実は相対するイメージを持つ形容詞は、他にもあります。
例えば『intuitive』は直感的なという良いイメージですが、『literal』は想像力が欠けたという悪いイメージです。
『〇〇という△△と言えば▢▢』を作り上げる
アメリカ市場に展開したての時の、WEB対策のコツですが、
『〇〇という△△と言えば▢▢』
をいち早く作り上げることです。
〇〇には形容詞
△△には名詞(商品群)
▢▢には名詞(商品名)
が入ります。
例えば、『扱いやすいカバンと言えばXYZバック』というように、〇〇に『扱いやすい』という形容詞を入れると、ターゲットが絞られてきます。
携帯やノートPCなど機器が増える中で、様々な機器の充電器のコードがカバンの中で散乱していて扱い難いといった悩みのある人は、『扱いやすい』カバンを探します。
扱い難いを解決するのが扱いやすいという形容詞だからです。
アメリカ人が『カバンと言えばXYZバック』と認識して検索されるようになるまでは、莫大な費用と手間と時間がかかります。
『tractable』(扱いやすい)という形容詞を加えると、収納しやすそうなカバンがイメージされます。
このような工夫を重ねて、長い時間をかけて商品名を知ってもらい、商品の良さを理解してもらえると、購入者が徐々に増えていくことでしょう。
『△△と言えば▢▢』
と将来的に、そのようになることを目指しながら、途中段階は形容詞の工夫を地道に重ねてゆくことです。
形容詞の選択は、広大なアメリカにおける空中戦には、なくてはならない戦略となります。
0コメント