全米展開の秘訣「商品ネーミング」

 商品のイメージを的確に伝えるネーミングは、販売において重要な要素だと昔から言われてます。そのため商品ネーミングに拘るマーケティングは一見、古い手法と思われるかもしれません。

 ウェブなどで商品の良さを伝えるツールが増えているため、ネーミングよりウェブデザインが重要となりがちです。しかし、今の時代だからこそネーミングの重要性はより高まっていると考えます。

フルーツの皮むき機のアメリカ向けネーミングに「Peel-a-ton」を採用

 Peel-a-tonの言葉が持つアメリカ人のイメージには、フルーツの皮がいっぱいで溢れかえっているようなイメージを持つ。


1秒以内で初めの勝負が決まる

 看板を出し、あとはお客様を祈って待つという昔のマーケティングでは、目につきインパクトを与えるネーミングが重要ということは理解できます。それが今のウェブにおいても同じことが言えます。

 お客様候補となる方々は、何かのキーワードを打ち込み検索しますが、検索した結果は同じような情報が溢れており、その中からより希望に近い情報を閲覧して絞り込みます。その絞り込み作業では言葉の勝負となり、ひとつあたりに割く時間は1秒程度でしょう。

 この1秒の中で、相手の脳内のイメージを湧き立て、ページを開いてもらう(お店の中に入ってもらう)ことをしなければ、ほとんどの場合、記憶にすら残りません。

 フェースブックでも同様で、毎日膨大な情報が流れていますが、1秒以上画面を止める記事はそんなにありません。

 展示会ですら、歩きながら様々なブースを見ていると、ひとブースあたりの認識時間は1~2秒程度でしょう。

 ウェブ空間でも展示会でも、アメリカで販路を開拓するためには、1秒以内に認識から軽い理解へと変換させる言葉にしなければ、次の段階の深い理解へと進みません。


その先の全米展開を考える

 アメリカという国土が広い市場において、全米展開を目指すなら、様々な協力者が必要になります。営業代行、大小小売店、エージェントなど様々な協力者のタイプがありますが、それぞれ膨大な商品を日々扱っています。その協力者が商品を次の人に伝達して販路を開拓するときに、イメージの伝達をし易くする配慮が必要です。

 協力者と相手側が同じイメージをどれだけ早く抱くかが、次のステップに移る確率を高めます。


 認識してもらい、理解してもらい、行動(購入)してもらう。

 

 この3つの流れの各関門をより確度を高めて突破する事が必要です。

 ネーミングセンスは、上流工程の「認識⇒理解」をいかに増やすかにかかります。理解を深める事や、その後の購入へステップに移るためにも、上流の数量を増やすことが購入の数量を増やします。これはウェブ上での展開においても同じ事が言えます。


McDonald'sに学ぶ全米展開

 マクドナルドは今でも、アメリカにおけるハンバーガーチェーン店の売上で1位となってます。

2015年売上ランキング(アメリカ)
 1.McDonald's 358億ドル
 2.burger King 95億ドル
 3.Wendy's       88億ドル
 4.Sonic            44億ドル
 5.Carl's Jr        36億ドル

 おいしいハンバーガーと言えば、最近日本にも進出している「Shake n Shack」や、アメリカでよく見かける「In-N-Out」「Jack in the Box」「Five Guys」と意見が分かれるかと思います。しかし、売上ランキングでもわかるように、今でもハンバーガーと言えばMcDonald'sというくらいアメリカの国民食となってます。

 マクドナルド兄弟は、ハンバーガー店をフォードのように均一的な味で量産して、かつ安価にハンバーガーを提供できるシステムを発明しました。しかしそれだけでは1店舗止まりで終わってしまいました。

 チェーン展開を成功させマクドナルドを築いたのは、レイ・クロックという人物です。フランチャイズオーナーを1店舗数十人の食品アッセンブル工場の工場長のようにマクドナルド兄弟の開発したシステムを広げ、小さな工場経営者を作るがごとくオーナー達の豊かさを実現して成功させていきました。

 レイ・クロックはマクドナルド兄弟に対して、マクドナルドという名称の使用権を奪いました。マクドナルド兄弟からすると、自分たちの名前を何故?と思ったことでしょう。似たようなシステムにすることでレイ・クロックのハンバーガー店としても成功したのではないか?なのに何故マクドナルドという名称まで奪うのか?

 レイ・クロックは、全米にハンバーガー店を広げるためには「McDonald's」という言葉は無くてはならないもので、訴訟してでも奪いたい名称でした。

 そこにはマクドナルド兄弟も気づかなかった、McDonaldという言葉のアメリカ人全員が同じように持つイメージです。

 アメリカでは第一次世界大戦よりも前から子供たちに歌われている「Old MacDonald Had Farm」という童謡があります。日本の皆様も一度は耳にしたことがあることでしょう。

 オハイオのマクドナルド爺さんの農場のイメージと、ハンバーガーの食材のおいしさや新鮮さなどのイメージをリンクさせるような言葉がMcDonald'sに含まれています。

 レイ・クロックのハンバーガー店では、まだハンバーガーがアメリカ人の国民食となる前では、全米展開するにはMcDonald'sという言葉のイメージが必要と考えたのでしょう。

 レイ・クロックはマクドナルド兄弟のお店の看板を初めて見た時に、「これだ!」と閃き、全米に展開する姿を鮮明に脳内でイメージしたことでしょう。


 お店と看板の言葉の持つイメージを一致させること以上に、ウェブ上で商品とアメリカ人が考えるイメージを一致させることは難しくなっています。そのため、商品が膨大に溢れている時代だからこそ、より商品ネーミングは全米展開におけるマーケティングで重要になってます。

M-Cross International Corporation Column

米国トーランス市に拠点を置くMCICが、米国進出のノウハウや独自の市場分析をコラム形式にて情報を掲載

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