アメリカ市場情報「小売大変革:人工知能が身近になるアメリカ」

人工知能(AI)技術が目覚ましい進歩を遂げる中、アメリカでは日常生活体感できる段階に!

アメリカ進出において、知っておくべき市場分析です。

 人工知能(AI)の技術の進歩は目覚ましいものがあります。

2017年に入り、アメリカではついに身近な生活空間にAIが導入され始めます。

スーパーやコンビニはAI技術により無人化になり始めます。

その第一弾が食料雑貨店の『amazon go』です。

2017年シアトルに1店舗目の出店計画があります。


■手続きの簡単さが拡大の可能性を秘める

①入口での入店手続きは、日本でいうモバイルSuicaを使うような便利さ

 ニューヨークの鉄道でもアメリカの鉄道は未だにチケットを購入して、車内で職員が切符を切ります。地下鉄は日本の一世代前のチケットを入れるタイプです。

 これは、米国の鉄道の歴史が長く、日本のような鉄道システムを全米全線に取り入れる事が困難なことが理由です。

 鉄道の安全装置も自動停止できないシステムであり、運転手が意識を失うと終点で衝突する事故が未だに発生しています。未だに衝突を防ぐ安全装置は警報音しか出ないタイプです。

 こんなアメリカで、店舗に入る時はまるで日本の鉄道改札の入場システムのようなお店が登場します。

アメリカ人にとっては、日本人以上に未来を感じることでしょう。


②出る時はゲートを通過するだけで決済完了

 アメリカではUberが無くてはならない交通手段となりました。

これは単純に安価という理由だけで広がったのではなく、便利さが拡大を加速させました。

特に決済は、車を呼び出した時点で完了しているため、決算は明良かつ降車時には手間がかかりません。

 同様の便利さがあると思われるamazon goにおいて、Uberのような急激な店舗数拡大を期待させます。

 アメリカ人のレジ係は、日本人から見ると仕事が遅いように感じられます。

これはアメリカに限らず、日本以外の国で感じる事ですので、日本人の仕事が早すぎるだけかもしれません。

そんな日本人のレジ係のトップクラスの人でも、amazon goの決済システムにスピードで勝つことはできません。


■どういった仕組みなのか?

 amazon goの店舗の仕組みについては、実はセンサーなど従来の技術を駆使して、それに加えてamazonの人工知能サービスを活用して構成されてます。


  https://aws.amazon.com/jp/amazon-ai/

 (AmazonAIホームページ)


 簡単に言うと、

①音声や文章を活用して、会話できるAI

②画像を分析して色々なものを判断する、画像認証AI

③文章を人に近い音声に変換するAI

④自動で分析して学習し、最適に整理して予測もできるAI


 この人工知能サービスは、皆様も活用できます。これらamazonが保有している技術を複合させて、無人店舗技術へ活用させてます。

 店舗内にカメラを組み込めば、人の手と商品をAIが画像認証し、カバンまで商品を入れ込む様々な購入行動を分析して学習させ、棚に重量や圧力センサーの情報が更に精度を補助するシステムがあれば、無人店舗システムが成り立ちます。

 amazonにとってはそこまで困難なものでもなかったのでしょう。

 新技術を一から開発して無人決済店舗を生み出したのではなく、保有している技術の延長線上にあるため、莫大な開発費は必要なかったかもしれません。

 これは、米国における有人レジスーパーに対してコスト競争力が出てきます。

 Uberの時と同様、安価で便利であるということが、一気にamazon goが広がり市場を変える可能性も考えられます。


■米国小売りの変革期

 米国小売りはEC販売が増えていて、リアルな店舗の閉鎖のニュースが目立ちます。

しかし、便利かつ安価で、しかも空間的にも心地よく、様々な商品を触りながら選択できるのであれば、店舗での販売が無くなることはないでしょう。

 店舗販売が低下しているだけに、これからはシェア争いが更に激化するものと予想されます。


 これからは、ウェブ上だけでなくリアルな店舗のシェア争いについても圧勝する者は、格段に進んだ技術を有している企業かもしれません。

 EC販売での王者が、リアルな店舗にダメージを与えている状況で、リアル店舗の市場をも乗っ取るかもしれない状況が、アメリカで起こりつつあります。


 弱っている市場に、最先端技術を使って更なる追い打ちをかけるところが、amazonの戦略の一つであるように見えます。

 

 日本も都内のコンビニでは、10人近くのレジ係がいる店舗もあります。このような店舗はお昼休み時間には長蛇の列ができます。

 amazon goの強みは日本でも地域を選べば、並ばなくて良いという便利さから、かなり競争力が出るものと予測されますが、まだ日本進出の予定はないみたいです。


 今の時代、市場の変化や入れ替わりは一瞬で起こせます。

 

 日本企業もあまり安心できないかもしれませんが、これくらいの技術は本気になれば日本の方が緻密かつ正確で得意な分野です。

 

 米国市場に展開する日本企業に必要な戦略は、amazonのような市場を完膚なきまで叩きのめす戦略が必要かもしれません。

M-Cross International Corporation Column

米国トーランス市に拠点を置くMCICが、米国進出のノウハウや独自の市場分析をコラム形式にて情報を掲載

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