デニムスーツに宿る【純ローカル製】という矜持

 スーツを代表する国、イギリス・イタリア・アメリカに対抗するため、世界で評価の高い国産デニム生地にてスーツを生み出した「株式会社山陽ハイクリーナー」がビジネスマンの嗜みであるスーツの世界に新たな世界観を提唱。『町屋デニムスーツ』で世界最大のアパレル市場であるアメリカに挑む。

[写真撮影:フォトグラファー池上剛、撮影場所:岡山県浅口市]


■デニムスーツ用の生地を開発

 デニムスーツという言葉を聞くと、スーツ生地というイメージよりもジーンズ生地のイメージが浮かび上がるのではないだろうか。

 しかし、この町屋デニムスーツを手に取ると、そのようなイメージは一瞬で消え去る。

 それは、デニム生地で作られたとは思えないほどの柔らかさであるからだ。

 イタリアスーツで例えると、北部ミラノのスーツである特徴の柔らかさのある生地と、南部ナポリのスーツである特徴のカッチリした生地の双方を持ち合わせたような不思議な生地である。

  それでいて、ドライな肌触りもこのスーツ生地の特徴の一つと言える。

 北イタリアが誇るスーツブランド「ベルヴェスト」らしさを表す「ジャケット・イン ザ・ボックス」は、折りたたんで小箱に入れられるほどの柔らかさを表す言葉だが、このデニムスーツの生地にもその言葉が当てはまる。


 このデニムスーツ生地は、名実ともに世界トップクラスのデニムメーカーであるカイハラ株式会社が開発した。

 高級ジーンズブランドの素材としても有名な「カイハラデニム」は、アメリカアパレル業界のトップクラスも愛用している。


 町屋デニムスーツ用に独自に開発されたこの生地は、カイハラ株式会社の高い製造技術があってこそ開発が可能であった。

 町屋デニムスーツでは、伸縮可能なタイプと伸縮しないタイプの2種類を用意している。

 生地デザインは、濃いデニムブルー(無地・ストライプ)と、薄いデニムブルー(無地・ストライプ)の計4種類のデザインが選べる。

[濃いデニムブルー(無地)タイプの町屋デニムスーツ]


[薄いデニムブルー(無地)タイプの町屋デニムスーツ]


■ここでしか選べないデザイン・地元での縫製

 町屋デニムスーツは、株式会社山陽ハイクリーナーの本拠地に構える、ここ浅口市内のIt's a Beautiful dayにてオーダーメイドできる。

 生地を選び、スーツデザイン、ボタンホールの色、ボタン、裏地など、様々なデザインを選び自分好みのスーツデザインが可能である。

 この豊富な選択肢の中で、全てのデザインを選ぶのための時間は30分を超える。

 ここでしかオーダーメイド出来ない町屋デニムスーツは、ここに来なければ自分だけのデザインが完成されないスーツとなる。

 そしてこのデニムスーツ生地は、ここでしか手に入らない。


 浅口デニムの本拠地に行かなければ手に入らない逸品である。


 そして当然、縫製は地元で行われる。

 

 このスーツは、オーダーしてから早くて1か月後に手元に届く。

 こんなにもこだわりのあるスーツで、更に自分の体形にあうオーダーをしても、最も安価な選択をした場合、ツーピースシングルタイプでは4万円台(オプション選択無し)となっているのも、現地に出向いてオーダーしに行ってからこそ可能になる。


■スーツはビジネスマンの嗜み

 貴族の嗜みとして愛用されていたスーツは、今ではビジネスマンの嗜みとなっている。

 他では使われていない唯一無二の生地を用いたスーツを身に着けるのも、ビジネスマンの拘りになる。


 このスーツは一目で他のスーツと違うことがわかる。


 そしてスーツのパンツにもオプションであるが、他のスーツとの違いを見せつける事ができる。

 ヴィンテージLevi’s501XXで、1890年モデルと言われているジーンズの特徴のひとつに、シンチバック(ジーンズのフィット感を調節するために、ウエストバンドとヒップポケットの間付けられたベルト)が取り付けられている。

 そのシンチバックをスーツのパンツに付ける事ができるのも、町屋デニムスーツの特徴と言える。

 デニムであるという事をアピールするには、さりげないワンポイントである。


■アメリカへ攻め込む

 イギリススーツとイタリアスーツの良いとこ取りのデザイン。そして様々な人がいるアメリカではどんな体型にも似合うようなスーツがアメリカスーツの特徴と言える。

 着やすさなど機能を優先させたスーツが多い。


 町屋デニムスーツは、そのアメリカに対して、ある程度のデザイン数に絞り込んで既成スーツとして展開する予定である。


 一目で目を引くこのスーツは、アメリカのビジネスマンに対してどのように評価されるのか今年の8月にわかる。

 デニム大国アメリカで、日本の技術で生み出された「町屋デニムスーツ」が評価され、日本を代表するスーツとなるように、様々な戦略で攻め込む。

 世界最大のアパレル展示会である「MAGIC」で、最高峰の出展難易度の高い「TEMTS」に出展審査を実施する。

 この「THE TENTS@PROJECT」は、INNOVATIVE(ファッションへの芸術なアプローチ)によって高く評価されたブランドしか出展できない。

  最高峰の審査によって通過した、最高峰のブランドだけが出展することができる。

 現代と未来を融合させた先進的な極一部のブランドのみ出展できる。

 日本のブランドでTENTSの出展審査に通過したにブランドを聞いたことがない。

 今年の8月出展のため、この先進的なデニムスーツでTENTSの出展審査に挑む。

 

 目指しているのは、日本を代表するスーツとなることではなく、スーツを代表する国に日本が入る事である。

 日本を詰め込んだ特徴あるこのスーツは、スーツを代表する国であるイギリス・イタリア・アメリカでは作る事が出来ない。


 日本でしか作ることが出来ない。


 いや、浅口でしか作ることが出来ない。

 

 そのような価値ある逸品である。

M-Cross International Corporation Column

米国トーランス市に拠点を置くMCICが、米国進出のノウハウや独自の市場分析をコラム形式にて情報を掲載

0コメント

  • 1000 / 1000