『品質の良い商品だから売れる』という錯覚
日本企業の製品は品質が良いです。
made in Japanというブランドは品質が良いというイメージを含んでます。
だからと言って、必ずアメリカ市場で売れるとは限りません。
品質が良いというだけでは、アメリカ人の購買意欲に火を点ける事はできないからです。
■ただ高いだけの商品になっていないか?
アメリカ人は他者からあまり見られない商品には、あまりお金を使いません。
これは日本人にも少なからず同じ事が言えます。
高価な物を着けているが、誰にも見られないとしたらどうでしょうか?
せっかく高価な物を買っても誰にも見られない物なら、あまり高価な物を購入するのを控えて安価な物を選択する傾向があります。
これと同じ事になりますが、高価な物は数多くの人が認識していて初めて効果を発揮します。これがブランドです。
ブランド力の無い商品は、品質が良く高価な物だとしても、周囲がそのことを認識しなければ、その他の多くの類似商品と同じ扱いとなります。
つまり、品質が良くても単に価格が高いだけという認識になります。
アメリカ市場では、made in Japanだけでは価格に変換されるほどのブランド力がありません。
アメリカでブランド力を上げるには、かなりのお金と時間を費やします。
アメリカで売れない場合、日本の企業はもっと良い商品を作れば売れるようになるという錯覚があります。
しかし、これは正しく今の立ち位置を分析しなければいけません。
アメリカ人に認識できないほど、すでにクオリティーが高いかもしれません。
そこまでクオリティーを求めていない商品ということも大いにあり得ます。
アメリカ人は日本人が考えるよりも、もっと品質を求めていません。
そのような商品でもっと品質を良くする行為は、さらに商品を売れなくする行為になります。
■新興国の価格と勝てるか?
同じまでと言いませんが、新興国に価格差で勝負できるほどの価格競争力があるでしょうか?
日本の商品で価格を下げるという製造側の工夫は困難な行為ですが、価格を下げる対策は新興国の多くの企業で取られている手法です。
日本企業はこの領域ではなく、知恵を絞り他の対策をすべきと考えます。
価値を低減するよりブランド化を図る必要があります。
■ブランド力(認知度)を上げる
ブランド力を上げるには多大な広告宣伝費がかかるイメージがあります。
ブランド力を単純に認知度とすると、今の時代はSNSなどの発信ツールが多数あります。
知恵を絞れば、昔のような莫大な費用はかからない時代です。
しかし、ある程度の費用と時間がかかります。
それを効率的に実施するには、アメリカ人が実施すべきと考えます。
・アメリカ人の購買意欲をそそる商品デザインやイメージ戦略
・アメリカ人が高い費用を払いやすい領域の商品開発
・検索上位に上がるためにアメリカ人が検索するときに使用する単語
・アッパーミドル層が居住する地域へのSNS広告戦略
などなど他にも多数実施すべきことがありますが、これらのことはアメリカに長年住んで生活をしなければわかりません。
そのため、アメリカ人に協力してもらい、実施してもらう事が初めに必要になります。
商品を入れる箱のデザインを格好いいデザインにする。との考えは日本的です。
なぜなら、アメリカでは多くの商品において小売店から箱はいらないと言われます。商品一つ一つを箱含めて陳列することはあまりありません。
このようにできるだけアメリカで商品の立ち位置を分析して、商品のアメリカ化の対策が販売拡大するための戦略で必要になります。
正しい対策を取れば、認知度は確実に上がります。ブランド力が確実に上がるということです。
ブランド力が上がれば価格に換算されます。
多大な金融資本がなければブランド力を上げられなかった時代に比べれば、今はかなり恵まれていると思います。
知恵を絞り正しく行動すれば、確実にブランド力を上げられるからです。
アメリカ市場の進出において、この正しく行動するということは、アメリカ人の興味に合わせることになります。
知恵と行動をアメリカ人から借りて、商品をブランド化する。
これがアメリカ進出において必要な知識と言えます。
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